第1章 黒川イザナ、転生する
イザナside
鏡に映る自分の姿を見てみる。
真っ白な毛色に褐色の肌、紫色の瞳、、、
これは前世の自分、「黒川イザナ」の容姿と瓜二つだった。
いや、まあ本人なんだが。
俺はどうやら前世で死んでこっちの世界に生まれ変わったらしい。最初はこの状況がうまく呑み込めず混乱したものだ。
まあ、魔法とやらを見たときにようやく気持ちの整理がついた感じだ。
誰でもあれを見たら嫌でも逆に落ち着くだろ。
さっきから俺の後ろでキャッキャ騒いでるのは俺のお兄ちゃんらしい。どうにも、俺は双子で俺の片割れがあれ。
名前はカリムという。
なんというか、兄弟だからか毛色も肌の色も俺とそっくりだ。いや、俺が弟だから俺がカリムに似ているのか。
まあ、俺の中身が18歳なのもあって中身は全くと言っていいほど似てないんだがな。
カリムは事あるごとに泣き叫んで世話係を呼びつけては泣き疲れて寝て、泣かなくなったと思ったら部屋にある中でも極めてお高そうな(ていうか全部高そう)ツボを割りかけたり
もう色々と手がかかるわけである時は世話係が護衛まで巻き込んでカリムの世話をしていたことがあった気がする。
一方俺は多分ほとんど手がかかっていないだろう。
泣かないしどっか行かないし壊さないかっらな。世話係のやつらには泣いて感謝された。ガキに何やってんだか。
色々大変ではあるが、この生活は悪くない。
多分ここの家系は随分といいとこなんだろう。家の中は金目のものがうじゃうじゃとある。そこら辺の壁の出っ張ってる装飾品を折って売り飛ばすだけでも相当な金額になりそうだ。
ああ、目がちかちかする
カリム「うっきゃ!あ!」
『ん?』
カリム「うぶ!うん!んぶ!」
『あ?』
何言ってるのかさっぱりだ。
カリム「あううー」ごろん
寝っ転がってきた、、、
『あいいえうあ?』
(なにしてんだ?)
カリム「んうー、、、」
『、、、ぁ』
寝た。
、、、まあ、悪くねえな。
ずっと欲しかった血のつながった家族。
ただ、前世の心残りといったら、、、_________