第1章 帰国
私は、バスケが好き
何にもかえがたいほどに
初めて出会ったあの瞬間から
私はこのスポーツに魅了されっぱなし。
空港のゲートを抜け、数時間ぶりに地面を踏む。
帰ってきたんだ、日本に………
「久々の日本だーー!!」
叫ぶと、何人かに驚いたように見られたけど気にしない。
胸いっぱいに空気を吸い込む。
一年ぶりの日本。
彼らはどうしているだろうか……
ふとそのことが頭をよぎる。
ずっと、忘れたことなんて無かった。
中学生の頃、一緒にバスケをした男の子たち。
あの時からセンスはあったから、きっと今頃はかなりの選手になってるに違いない。
帝光中学という強豪校でレギュラーだったかれらとのバスケをした日々はとても楽しかった。
…………会いたいな
でも、私には彼らと会う資格なんてないから。
左耳の上につけてあるクローバーの髪止めに触れる。
一年前のあの日
彼らに別れも告げず、私はアメリカに行った。
逃げたんだ
自分の都合で彼らを傷付けた
だから
彼らには、会えない