第9章 大きく羽ばたくまで
子鼠は庭先の桜の木の下に埋葬した。
好きだと言う乾燥果実やひまわりの種と一緒に。
「しばらく、保育園。休んでもいいんだぞ。
こっちでゆっくりするのも。」
小鳥は、一緒に看取れなくてすまないと珍しく傷心していた。
自分の娘が大人になる大事な時に居られなくてと、感じていたのだろう。
私が側にいてくれて助かったとさえ言っている。
「ううん。悲しいし、寂しいけど…
あたしがここにいてずっと泣いてたらはむちゃん、お空に行けないもん。
保育園でもね、メダカさんたちのお世話もしなきゃいけないの。」
小鳥は心配そうだが、微笑み頭を撫でた。
雛鳥はとても芯があり強く育ったなと2人で感心する。
「それに、もう来年は小学校のお姉さんだもん!」
雛鳥は、手を腰に当てて胸を張った。
子鼠よ、お前の飼い主は立派だな…
そんな雛鳥に大切にされた子鼠が羨ましくも感じた。