第3章 自分の娘のような
目の前の一期一振はぽかーんとしている。
小鳥はその隣で大笑いしていた。
「山鳥毛様!大丈夫ですか!?」
五虎退が心配になり私のそばに来た。
「いや、ちょっとな。まさか私の名前が出るとは
これじゃあ、私も小鳥と同じ扱いなんだろうな。」
「山鳥毛と一期には娘をやらんぞ?」
「言われなくても引き取りませんて。」
私も小鳥の宝物に手を出す気は無い。
基、雛鳥は私の宝でもある。
「なんだと!?引き取らねぇだと!」
「主様…少し、お水を飲みましょう?」
遊び半分で興奮している小鳥は私や一期一振が困っているのを楽しんでいる様子だ。
雛鳥も笑っている私たちを見て五虎退と一緒に困惑していた。
「まぁ、雛鳥が素敵な小鳥になったら話は変わるかもしれないがな…」
私は冗談交じりにまだ知らぬ感情ごと酒で流し込んだ。
雛鳥はムスッとしていた。
「ぜーったいパパたちと結婚するんだもん!
ママみたいになるもん!」
頬を膨らます様はスズメみたいで愛らしかった。
「そりゃ楽しみだな。」と小鳥が頭を撫でる。
「そうですね。」と一期一振が困ったように笑っていた。
私は酒を嗜みながら雛鳥を見ているだけだった。