第14章 お守り
小鳥の傷は深いらしく、歩けはするが前線にいることは出来なくなってしまったと薬研は言った。
「まぁ、もう引退かなとは思っていたんだよな。
しばらく任務をこなしたらな。」
「小鳥…こんな悲しいことを言わないでほしい。
ところで、雛鳥のこの御守りは知っていたのか?」
「知っていたというか、なんか作ってるなぁ御守り見てぇだなってくらいにしか思ってなかったんだ。
刀剣御守とか俺は言ってなかったしな。
まさか知っていたとはなぁ…。」
雛鳥の気持ちに触れられたような気がして私の胸がジンジンと熱く感じた。
「………あいつには悪いことしたな。
父親失格かもしれねぇ…。」
小鳥は深いため息をつく。
「雛鳥を思っていたのだろう?
立派な判断だと私は思うよ。」
「慰めの言葉感謝する〜。
傷や手当が終わったら酒盛り付き合え!近侍!」
「ハハハ、お手柔らかに頼むよ。」
私はギュッと、御守りを握りしめた。