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山鳥と雛鳥

第14章 お守り



刀を振るが、我々より早く力も強い。
だが負けるわけにはいかない。

バシュ…

相手の槍が腹部を貫く。

「んぐ……!?」

「お頭!」

「子猫!侮るな!目の前の敵に集中しろ!
はあぁぁ!」

私の刀は相手に届いたが絶命とまではいかなかった。

と同時にあることに気づく。

……しまった!

小鳥から渡された刀剣守りが破損している。

「なるほど、迂闊にやられるわけにもいかなくなったということか。」

「お頭?何とかなりそう?」

「姫か、あぁ問題ない。予想外ではあったがな。」

「そ、じゃあ早く終わらせよ。」

「あぁ。」

姫鶴の援護があり、助かった。
深く抉られた腹部が痛むがそれどころでは無い。


「くっ…!一期一振!?」

小豆の声に一期の方を見た。
一期は目の前の敵に集中したところを別の仲間に切られる。

「動くな一期!」

私は急いで援護しに行った。


4体目。
一期を切った太刀を払った。

「すみません…主が!」

「なに?」

小鳥は片足のアキレス腱と利き腕をやられたらしく、追い詰められていた。

「燭台切、彼を頼む。」

「君も腹部が!」

「問題ない!」

私は小鳥の方へ走った。
小鳥は目の前の薙刀を交わすのに精一杯だ。

「はぁはぁ、キリがねぇな!」

血を流しすぎたのか、小鳥がガクっと倒れる。
検非違使がトドメを刺そうと振り被った。




「「「主!」」」




惨い音が響いた。
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