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山鳥と雛鳥

第13章 新しい生活


ーーー4年後ーーー
私は高校を卒業して、保育士の資格取得勉強に励みながら茶屋でアルバイトをしていた。
ここの和菓子はどれも絶品で初めて食べた時はテンションが上がった。

「んー!美味しい!これ好きそうだなぁ!」

美味しいものを食べていると誰かも美味しそうに咀嚼している風景が脳裏を過ぎる。

「誰が?」

「え、誰って…そりゃ…」

誰…?和菓子や甘いものが好きな人…あれ?
誰かいたような…

「間違えたのかな!」

誤魔化して笑っていると従業員募集の紙があるのが見えて、私は即決でここで働きたいと強く願った。
自分も美味しいの作ってみたいという好奇心からだった。
そしたら茶屋の店主に覚えられていたらしく、私はここで働かせて貰っていた。
とても、美味しそうに食べてくれるから嬉しかったと後になって話してもらった。

「いらっしゃいませ!」

「ここのオススメですか?季節のこれとかどうでしょう?いちごが大きくて…」

なんでだろう…誰かが嬉しそうに食べる口元が脳裏を過ぎる。あの時とおなじ…。
誰だろう……。

「あの…大丈夫ですか?」

「え…?」

お客さんに心配され、私は頬を撫でる。
知らぬうちに涙が流れていたみたい。

「あ、これはえっと花粉症…そう、花粉症なんです!」

笑って誤魔化して接客や菓子作りに励んだ。
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