第6章 貴方って
『沖矢さん...あの、どうして此処に?』
「みなみさんから返信が無かったので心配になってしまい、そしたら安室さんと居らしたので...」
『あぁ...それは...』
「外出の際はしっかり連絡をするよう伝えた筈なのですがね」
『すみません...』
今日も沖矢さんは少し、怒っているのかな...
会うのはあの日以来。
前回とは違って今は真純ちゃんの言っていた事が頭から離れない
まだそうと決まった訳では無いくせに、そうとしか思えなくて...
「以後気をつけましょうね」
いつも通り沖矢さんに腰を抱かれて歩きながら
この人が赤井秀一だったらって事を考えてしまうと、本当の事を知りたくなってしまって
足を止めた。
「どうかされましたか?」
『沖矢さん、確認 と言うか...話したい事があって...』
「ホォ...“話したい事”ですか。それでは場所を移動しましょうか」
そのまま近くに停めてある駐車場へ行き、沖矢さんの車へ。
今日のこいつを見るに、“話”と言うのは恐らく俺についての事だろう
『何処に...行くんですか?』
「貴女のよく知る場所ですよ」
沖矢さんは私が何について話したいか気付いてるの?
何かを察してそうな気もして...
よく知る場所?
沖矢さんは今も工藤邸に居る筈だよね?
もしも工藤邸だとしたら、ホテルでも出来る様な話を態々そこでするって時点で...
もう答え合わせな気がする