第6章 貴方って
とりあえずアイスココアを頼み、零にも来た事をメッセージで送って
程なくすると、ドアベルの音と共に買い出しから戻ってきた零。
直ぐに目が合って
「みなみさん、こんにちは!」とあの爽やかな笑顔で挨拶をしてくれて
「えっ!安室さんのお知り合いの方だったんですか?!さっきはごめんなさい...」
『いえ!とんでもないです、私の方こそ何も言わずにすみません...』
「梓さん、そちらの方は僕の友人なんですよ」
「そうだったんですね!」
『小田島 みなみといいます。宜しくお願いします』
「みなみさんって言うんですね!私は榎本梓といいます、宜しくお願いしますね!」
相変わらず笑顔で挨拶をしてくれる梓さんは流石はポアロの看板娘と言われているだけの可愛らしさのある方で、久しぶりの自己紹介をした。
エプロンを着ている零はしっかり“安室透”になっていて、見てるとついあの時の事を思い出してしまうのは...
まあ仕方が無い。
結局またいつものハムサンドを頼んで、アイスココアを一口。
お客さん達も徐々に店を後にしていって今残っているのは私だけになった。
梓さんと軽い世間話をしていると、話し声と共にドアベルが聞こえて、見るとそこには帝丹高校の制服に身を包む三人の姿が。