第16章 荒波
「みなみ」
『ん?』
「八丈島の件だが…行っていいぞ」
『えっ?!本当ですか?!』
「ああ。だが条件がある」
『条件?』
「GPSと盗聴器は付けさせて貰うぞ」
まさかOKが出るとは思わなくて、きっとさっきの作戦が上手くいったのかな?凄く嬉しい半面、忙しい赤井さんにこれらを監視させてしまうのは申し訳なさも感じる
『赤井さん』
「なんだ」
『あの、本当にありがとうございます!』
「ああ」
GPS達を付けると言っても、心配な事には変わりないが
やはりみなみには少しでも良い思いをして欲しくてな。
態々あの茶髪の少女とそんな話しをするぐらいだからな
まあ、みなみらしいと言えばそうだが。
赤井さんはそろそろ準備をすると言う事でシャワーへ向かった。
私はバッグを持って2階に行き、下着と洋服を着替える。
今になるまで確認していなかったスマホを思い出し…
取り出すと零から貰ったスマホに連絡が来ていた。
抽選に行った時もそうだったけど、あの時どうしてか聞いても詳しくは答えてくれなくて。
今日届いていたのは八丈島には行くなという能だけ。
組織に居るからこそ言える事なのだろう…
零にも申し訳ないけど、赤井さんの了承が出た事だし一人にならなければ大丈夫な筈。
あのデパートに零も居て、きっと子供達の事も見かけたのだろう。
それで行くかと思ったのかと。
とりあえず、最大限気をつけて一人にならないようにしよう。
そうして、大きな楽しみが出来上がった