第15章 変化
案の定子供達三人は身を乗り出して目を輝かせていて、コナン君はと言うと
顔が引き攣ってる…
「あのねえ、これはこの子へのご褒美だからね」
園子ちゃんがポカンとした哀ちゃんの前に屈み、頭に手を置く。
「え…?」
どうやら園子ちゃん達もあのデパートに居たみたいで、哀ちゃんが老婦に整理券を譲った所を見ていたらしくて。
恥ずかしそうに顔を背ける哀ちゃんは、大人びて見えても中身はまだたったの18歳であって可愛らしいほんの子供と変わらない。
哀ちゃんがありのままで居られる事も、自分と仲良くしてくれている事も凄く嬉しい。
「あのーそれは子供達だけのご褒美でしょうか?」
少し弱々しくそう聞く博士が可笑しかったり…
「勿論博士も引率役として来てもらいます」
「やったー!!」
阿笠博士もとても喜んでいて心から安心した。
「よかったね!博士!」
「みなみさんも是非一緒に行きましょうよ!」
『いや…私は、大丈夫だよ!皆で楽しんできて!』
「何言ってるんですか〜!みなみさんもあの老人の為にしようとした事へのご褒美なんだから行きましょうよ〜!」
『え、み、見てたの…?』
「はい!園子が気付いて、それで…」
「そう!だからみなみさんも行きましょ〜!あ、昴さんも全然呼んでもらっちゃって大丈夫なので〜」
ニコニコしながら園子ちゃんに後半耳打ちでそう言われ…
「ちょっと園子〜?」
『一応…聞いてみるね!』
まあ…沖矢さんが来れる訳は無いだろうな……
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‘“犯人はピンガ”
八丈島近海…
パシフィックブイが稼働
ユーロポール職員の殺害事件にはパシフィックブイに潜入している組織の構成員、ピンガが関わっている。
ボウヤ達が行くのを阻止する事は困難だが、みなみを止める事なら可能だろう。
みなみから届いたメールで恐らく…と思い、早く帰宅した甲斐が有った。
俺のメールに返信は無し、か。
どうやら阿笠さんの宅は沸いているようだが。
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