第15章 球技大会!!~番外編~
玲「貰います!」
「え?!はやっ!!」
私は奪ったボールをそのままスピードに乗せて一気にドリブルで攻め上げた。
そうして走っていき、ゴールの手前でやはりといった感じで日向先輩が待ち構えている。
自分のチームの大我とテツヤ以外からはボールを寄越せと言われるがそれを無視して私は直進した。
私はそれをわかった上で日向先輩と真っ向勝負に出た。
玲「捕まらんかったらいいねんやろ」
私は一言メンバーの奴らにそう声をかけて先輩と相対した。
日「抑えるに決まってんだろ。」
玲「うちの力をちゃっちゃと分からせないと一行にボール回して貰えないんで、ここは抜きますよ。
何が何でも」
そういうと、私は足音と気配を完全に消した。
今先輩に聞こえるのはボールが弾む音だけだ。
伊「日向!気をつけろよ!
来るぞ!」
日「わかってる!」
・・こいつの実力を疑うのはこいつを女だと舐めてるやつだけだ
先輩達が私を舐めてないのは目を見ればハッキリとわかる。
このピリッとする緊張感…。
私が中学生の時では感じる事が許されなかった緊張感。
ここの先輩達やキセキのみんな、そしてテツヤと大我達には感謝しても仕切れない。
私はそんな思いを胸に自身のスピードに緩急をつけて複雑な高速ドリブルをしながら抜いた。
相手には起動を予測することのできない私の高速ドリブル。女である私が唯一もてる武器“軽さと速さ”を最大に活かしたリズミカルなドリブルだ。