第2章 新生活スタート
「だめだ…帰り方が分からない」
辺りはもう真っ暗でスマホのライトを付けても身近なところだけしか照らされなく使い物にもならない。しかも、森の中なので余計だ
少し蒸し暑く、虫の鳴き声が耳障りな程聞こえてくる
「とりあえず、森を抜け出すしかない」
方角も分からないまま、いま見えている少し先に見える小さな明かりを頼りに森を抜け出すことに専念していた瞬間、突然足が軽くなった
暗くて分からなかった先にあったのは、崩れ落ちる崖だった
どのくらいで着地できるのか分からない…もしかしたらこのまま私は…
浮遊感と共にこの世を去る覚悟を決めた時にはもう遅かった
「…っ…うぅ…」
目を覚ますと、私は倒れていた
奇跡なのだろうか…幸いなことに怪我と意識を失うだけで済んだ
「いっ…たぁ…」
恐らく、全身打撲にあちらこちらにかすり傷
服はどこもボロボロでもう着れないだろう
「気を失ってから数時間は経ってるはず。でもまだ太陽が昇っている最中…ここから一気に森の中をくぐり抜ければ少し楽になるかも」
時間的に朝の4時ぐらいだろうか、薄明かりになってから少し先に町が見えるのがわかる。そこまで時間はかからないだろう
「い"…っ…もしかしたら骨折してるかもなぁ…」