第2章 ゼロ距離
唇同士が重なるだけの軽い口付けではあったが、触れ合っている間は食むように弄ばれ、終わる時は名残惜しそうにゆっくり離れていく彼女の顔に、体の芯が熱くなるのを感じ、思わず生唾を飲み込んだ。
伏せられていた睫毛が上がり、マヌケ面をした私の顔がジェスの瞳に映ると、彼女はニッとイタズラが成功した子供のように意地悪く笑う。
「作戦大成功です、副長」
顔には出ないのに耳だけ赤くしたジェスにどうしようもない愛おしさを抱いた私は、体裁も何もかもどうでも良くなってしまって。今度は私から顔を近づけた。
まるでやり返されるとは思っていなかったような可愛い表情をしてくれる。
制止する声も聞かずに、体と体に隙間がないほど密着した私は、ジェスのこんな顔が誰にもみられぬようにと背中に回した腕を決して離さずに、彼女の甘い丹花を独り占めするのだった。