第9章 モブリット生誕記念『今日の主役』
トロスト区奪還作戦から数日。
調査兵団ハンジ班に配属された私は、捕獲した巨人の実験補佐として忙しい日々を送っていた。
というのも、ソニーとビーンと戦闘し生き残った唯一の兵士が私だったからだ。
戦闘経験のある兵士から情報を聞き出すのと、万が一の場合は被検体を始末する役割として選ばれたというのは、分隊長から直接知らされていた。
私が所属していた訓練兵の班員は全滅した。
私だけが生き残ってしまった。
その罪悪感に潰されそうになる夜なんて、何度もあった。
けれど……ソニーとビーンに近づきすぎて食われそうになるハンジさんをモブリットさん達と一緒に止めたり、研究結果をまとめる皆さんの雑務やお茶入れをこなす内に仲良くなったりして、いつの間にか傷は癒え、新たな使命を決意して罪悪感を乗り越えることが出来た。
この人たちが人類の希望であると信じ抜くこと。
そして、この人たちを守り、尽くし、心臓を捧げることが私の命の使い方であり使命なのだと。