第8章 リトルボーイ
調査兵団に入団してしばらく、久々の非番が訪れた。
キツイ訓練の日々に悲鳴をあげる足腰を労わって、今日はストレッチしてからゆっくり寝ようかなあなんて、寝起き早々に考えていた所だった。
「ジェスーーー!!!お邪魔するよ--!!!」
「うわああ!!分隊長!?」
立派なクマをこさえた我が班の上司が鼻息荒くやってきた。
こういう時のハンジさんには関わっちゃいけないと後ろずさるが、ハンジさんの腕の中にいる、見覚えのある顔に足を止めた。
「その子は…?」
「モブリットだよー」
「は?!」
いやいやいや、ありえない。だって私の知っている副長は背が高くて…がっしりとした顔つきで…かっこよくて…。
いけない、脱線した…。
とにかく、こんな小さな子供ではなかったはずだ。
確かに顔や雰囲気はモブリットさんに似てるけど、パッと見た所8歳くらいだし。
人が小さくなるなんてそんなこと…。
「信じられないって顔だね。でもこの世には巨人というイレギュラーがいる。私が、人を小さくする薬を開発したっておかしくないだろう?」
「いや、まあそうですけど…そもそもなんで小さくなんて」
「決まってるだろう?」
いつだって私は人類の為に心臓を捧げている。
そう言ったハンジさんに、一瞬でも疑ってしまったことを恥じる。
そうだ、ハンジさんはいつだってこういう人だ。