第6章 -平和世界if- 幸福のあしおと
─850年─
英雄エレン・イェーガーによってこの世界のすべての巨人は元の姿に戻り、巨人の力もユミルの呪いも…道の中でエレンが始祖ユミルをいい方向へ導いてくれたお陰で、この世から完全に消滅した。
壁内人類の壁が崩れ、中にいた超大型巨人たちも人の姿に戻り、壁外の全人類とも友好条約を結ぶと、先の見えなかった僕たちの世界に平和が訪れる。
壁がなくなったことで手に入れたパラディ島全体の領土、付近の領海・領空をまとめて、僕たちの住む島はパラディ共和国と名付けられたのだった…。
─*─
戦う必要の無くなった各兵団が、国の象徴として据えられたヒストリア女王の代わりに国政の役目を担うようになって数年…。
僕は"元"調査兵団(正式名称がまだない)で、首相補佐として忙しい毎日を送っていた。
今は英雄エレンの活躍を世に広め、壁内人類は依然として無害であるとアピールするための凱旋計画について資料をまとめている。
まさか僕が、無鉄砲で無愛想なエレンをどうにかしてプロデュースする日が来るとは……。色々なことがあったけれど、エレンとミカサと一緒に笑い合える世界にできて本当に幸せだ。
「失礼します!エルヴィン団長!!こちらに分隊長は来られませんでしたか?!」
珍しくノックを忘れるモブリットさんの入室にビクッと驚いてしまう。
「いや。こちらには来ていない。アルミン、心当たりはあるか」
「い、いえ。僕も見かけてません」
「困ったなぁ……あの書類を今日中には出してもらわないと……ブツブツ」
「あはは…」
ハンジ班のおふたりは世界が変わっても相変わらずのようだ。