第13章 モブリットさんを匿う話
窓から朝日が差し込んできて、瞼を光がさす。
眩しさに瞬いて体を起こすと、昨日窓際に撒いておいたパンの欠片をつがいのスズメが啄んでいた。
いつもは警戒して鳥なんて近寄ってこないのに。
朝からいいものを見たと、静かに着替えて1階に降りる。
燃えきった暖炉の炭をかいて、新しい薪をくべる。
熱くなったお湯で紅茶を入れ、それをすすりながら玄関を出た。
ポストに入っていた朝刊を取ると、お隣のアベマリアさんが挨拶してきたので私も世間話とともに挨拶する。
今年で70歳だという彼女はいつまでも女を忘れなような出て立ちで、凛々しい眉毛が特徴的な化粧を朝早くから完璧に仕上げていたようだ。どっしり肝が据わっている彼女にぴったりだ。私もおばあちゃんになったらこんな人になりたいと思う。
鍋から具のないスープを盛り付け、パサパサになってしまったパンを浸して食べる。
片手間に朝刊を読めば、いつもの朝の完成だ。