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某国立新高等学校

第14章 山荘にて


「おはようございまーす!」


ぐっすり眠ってすっかり体力の戻った私は足取りも軽くリビングの扉を開けた。

「シッ!果音!窓に近づくな!」

ショータが私の後ろに回り込んで手で口を押さえた。もう片方の腕でがっちりとカラダが捉えられている。

(え、何事!?)

見ると私以外全員がもう起きていてリビングに集まっていた。皆どこか緊張していて昨日の和やかな雰囲気ではない。


「………やっぱツケられてたみたい。」

いち子が声を潜めて言う。


「あんのヤロー、しつけえなあ!」

賢太は注意深く壁に貼り付いて窓の外を見やる。


「………朝早いのにね、外が騒がしいと思ったら、下の林道に何台か見た事ない車が停まっていたのよ。」

美穂先生は胸の前で両手を組んで不安そうに言った。

「今どんな感じだ?」

「何人か怪しい奴らが車から出て来て双眼鏡でこっち見てるよ、じいちゃん!」


「恐らく林道までは追えたんだな。この山の中腹にはいくつも山荘があるから幸いにも特定はされていない。」

「『けもの道』を通って来て正解だったわけね。」


(どうしよう!見つかったら………)

「大丈夫だ、果音。俺も皆もいる。」

先ほどから震えの止まらない私の体を抱きすくめていたショータの腕に力がこもる。

(何の根拠もないけど、こうされてると安心するな。そして不謹慎だけど………嬉しかったり………)


「ん?その笑顔なら大丈夫だなっ!」

「……え!?あ、うんっ、ありがと。」

(ヤバッ、つい顔が緩んだの見られちゃった!)


「蕗田先生!」

床に体育座りをして考え込んでいたなぎさがスクッと立ち上がった。

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