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某国立新高等学校

第11章 緊急事態




機械にぴったり身を寄せる様にして病室を出た。

扉の脇で昨夜私に付いてきた係員がある人物と話していた。

(……………白田先生!?)


まずいことに目が合ってしまった。

大きなマスクと変装用にメガネも借りていたのだが、白田先生と係員は機械を追ってきた。


「ヤバいな、気づかれたかも……」

私の前で機械を押していた看護師さんが小声で言った。


「あなたがた!病院の廊下は走らないでください!!」

浅葱先生が食い止めてくれている。


「エレベーター待ってると追いつかれるかもしれない!階段を使おう!」

角を曲がると、看護師さんは私の手を引いて非常階段の扉を開けた。



「………はあっ……はあっ……」

病室は8階で、独房でロクな運動もさせられず繋がれていた私に階段はキツかった。

「頑張って!あと少しだから。」

誘導役の看護師さんは優しく背中をさすってくれた。


何とかして1階にたどり着いた。

「救急入口はここをまっすぐ!走って!」


指を差す看護師さんに目で御礼をして最後の力を振り絞って走った。

廊下の先の救急入口の赤いランプが希望の灯りに見える。
私は何度も足をもつれさせながら赤いランプを目指した。


こんな時なのに………何故かショータの笑顔が浮かんできて…………ああ、もう会えないのかな…………って。


バタンッ!!

私は気持ちを振り切る様に救急口の両開きの扉を開けた。
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