第10章 スワップ
(それを聞いて光が見えてきたよ。
果音ちゃんに会えて良かった――――)
と言って安心したのかトッドはそのままスゥスゥと眠ってしまった。
私は―――――
今日は衝撃的なことが多かったからかなかなか寝付けなかった。
(………なぎさがレズビアン?!まだ信じられないけどそれならそうと親友だったら言って欲しかったな………)
翌朝、予想はしてたけどこの前の様にドヤドヤと係員たちがやって来て私の両脚を拡げて性交の確認を始めた。
「………あれえ?おかしいわねえ〜
昨夜はあんたから寝床に誘ってたのにねえ!」
白田先生は未だ堅く蕾んだままの私のアソコを手袋をした指で突きながら言う。
「彼女を責めるな!前も言ったろ!
オレは出来ねえんだって!」
係員たちに両腕を壁に押し付けられているトッドは大きな目を釣り上げて、昨夜は片鱗も見せなかった険しい顔している。
白田先生はトッドを指差して下品に笑った。
「あははは!麗しい姫君を守る、騎士(ナイト)ってとこだね。
宮本さん、さっそく今度のナイトも骨抜きにしちゃって!なんて娘(コ)かしらね。
ここではくだらない色恋とか駆け引きなんていらないんだよ!気取ってないでさっさとヤッちまえ!
毎朝確かめに来るからね!!」
白田先生はそう言い捨てると一同を引き連れて房を出て行った。
「―――――ほんっと下衆だよな。あいつら。」
係員たちの足音が遠ざかって行ったのを確かめてからトッドは吐き捨てる様に言った。
「大丈夫か!?」
そして未だ寝台の上でうずまっていた私に気づいて駆け寄ってきた。
「……大丈夫だよ。」
「良かったあ。後でどこか痛んだら絶対言うんだぞ!」
「あ、ありがとう………」
「少し休んでろ。」
トッドは優しく私を寝台に寝かせて掛布を掛けてくれた。
少し微睡んで薄目を開けると、背中を丸めて床にしゃがんでいるトッドの姿が目に入った。
「トッド?何してるの?」