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某国立新高等学校

第8章 パンダ


(ど、どうしよう………胸のドキドキが聞こえちゃう………)


ショータが耳に口を寄せてきた。

「きゃ…」

思わず声が出てしまった。


「シッ………こんな変な作戦を仕掛けてくるほど俺たちはマークされてる。」

ショータは私の耳にぴったりと口を付けて小声で囁いた。

(ふぁっ………!?)

「おそらくマイクの音量も上げてるだろうから話す事には気を付けた方がいい。」

私はコクコクと頷く。

「もう……6月だ。賢人は動いてるに違いない……信じている。」

(……ショータは本気でここを出るつもりなんだ。

……でも、そしたら私は…………)


「果音!」

小声のままだけど急にショータの語調が強くなった。

「一緒に出よう!!」

「へ?」

「ここを一緒に出るんだ!

友達と、叶えたい夢あるんだろ?」

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