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某国立新高等学校

第6章 第二学年一学期







「………シオリ。」

「え……………」


「シオリってんだ、そいつ……」

「あっ…………ショータの好きな子ね!」

せっかくふくらませた風船がパン!と割られた様な気持ちがした。

(………も〜っ!私のバカバカ!何勝手に期待してたのよ!………気づかれてないよね?

ですよねー!ショータくらいのレベルだったら彼女の一人や二人………)


「……シ、シオリさんていうんだ。お、お嬢様っぽい名前だね……」

(私明らかにキョドってるわ………)


「うん、お嬢だよ。超お嬢。
一人で電車にも乗ったことがないお嬢。」

「そんなお嬢様とどこで知り合ったの?」


ショータはワハハハと口を大きく開けて笑った。

「やっぱ不思議だよな――――」

「あっ!私今すごい失礼なこと言ったよね……
ごめん、ショータ。」

「いや、いいんだ。気にすんな!
――――誰だって同じこと聞くし。


俺たちは河原で出会ったんだ。」

「河原!?」

「うん、シオリは走ってて、俺はチャリで………


あ、こんな話はつまんねえか。」

「ううん!つまんなくないよ、聞かせて!」

「ちょっと照れくさいけどな………


まず最初に言っておくけど、俺の年、シオリや果音の一個上なんだ。」

「そうなの?!」

「一昨年中学出て定時制に通ってた。

俺んち金なくってさ…………」



ショータは少し遠い目をして『シオリさん』のこと、話してくれた。
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