第6章 第二学年一学期
「うん、ロバの方がまだマシだよねっ!」
「ところでさ、」
「えっ?」
「果音の笑った顔初めて見た。」
「えっ、あっそうかもね。」
「可愛いな。」
(えぇ~〜っ!!髪はグッチャグチャだしお化粧もしてないし、具合悪くて目は落ちくぼんじゃってるのに?!)
「ちょ………からかってるの?」
「からかってなんていないよ。ホント果音の笑顔は可愛い。
もっと笑えよ……ってムリか。この状況じゃ。」
ショータはまっすぐに私の目を見て言う。
(あ〜あ、こんなイケメン君にはちゃんと服着てオシャレしてキメた自分で会いたかったなあ…………)
「果音はさあ、付き合ってる奴いるの?」
(出た!いきなりド直球の質問!ど、ど、どうしよう………)
「い、いないよお〜そんな人!」
(声が上ずっちゃった……)
「マジで?可愛いから絶対いると思ってた。
じゃあ、好きなヤツは?」
(……あちゃ〜どうしましょう……ねえ……)
私が答えられないでいると、
「俺は、いる!」
「へっ?」
「…………付き合ってる……とは言えないけど……大好きなヤツがいるんだ。」