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某国立新高等学校

第6章 第二学年一学期


白衣の人物に私はカラダ中を隈無く診られた。脚を拡げる様に言われて恥ずかしいトコロもっ!)


「宮本さん……だっけ?どこか具合の悪いところはない?」

私は首を横に振った。


「よし!」

白衣の人物は机の上に置かれた書類に判を押した。


「宮本さん、合格よ。おめでとう、早く制服を着て出なさい!」


部屋の隅に置かれたカゴに私はさきほど着ていたモノをすべて脱ぎ捨てていた……………はずなのに?

カゴの中に残されていたのは―――――制服のスカートとセーラーの襟と、リボンだけだった。


「下着やブラウスはないわよ。二年生からはそれだけ。」

「…………!」

「分かったんならさっさとそれ着て出てまっすぐ、突き当たりの教室に入って!」


(どういうこと?先生たちは急に厳しくなったし、下着盗られてこの変態ルック!私、変な夢見てるのかなあ?!)


「果音〜!!」

『突き当たりの教室』に入ると先に『検査』を済ませたなぎさが泣きついてきた。

「なぎさ!」

なぎさは短いスカートを手で引っ張りながら赤い顔をして俯いた。

「スカートを短くしたのは貴女の勝手でしょう?海野さん。」

見張り役?の白田先生が冷たく言い放った。


「あ、私ロッカーにカーディガン入れてたから持ってくるね、それ腰に巻いておこう!」

ビシッ!

「痛っ………」

教室を出ようと戸にかけた手が白田先生の持つ長い『モノサシ』みたいな物で打たれた。

「皆揃うまでここを出てはいけません。」

「白田先生?!いったい何なんですか?!」

いいかげん腹が立ってきた私は思わず先生に食って掛かってしまった。

(果音、だめ!)

なぎさが小さく囁いて私の腕を押さえた。


「宮本さん、貴女もおクスリが必要ですか?」

白田先生は教卓の上にある箱から注射器を出した。


(果音、おとなしくしてないと鎮静剤打たれちゃうよ!)

なぎさが顎で教室の隅でヘタリこんでいる数人のクラスメイトたちを指し示した。

「…………!」

思わず息を呑む。

「さあ、宮本さん。腕貸して。」


「だ、大丈夫ですっ!!」

私は後退り、並べてある椅子に掛けた。


「そうそう、おとなしくしてれば何もしませんよ。」

白田先生は鼻で嘲笑った。


カラカラ……

教室の戸が空いて莉里が入ってきた。
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