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某国立新高等学校

第5章 第一学年二学期


翌朝、職員室で一人お湯を飲んでいたじいちゃん……いや蕗田先生はいきなり押しかけた私たちに驚いていたがニコニコと快く質問に答えてくれた。

しかも数学の免許も持っているとのことでそっちの補習もしてくれるって。


「夕方5時までなら居てあげるからいつでも来なさい。あと、僕の家内は元国語教師だから分からない事まとめてくれば聞いてきてあげるよ。」

「じいちゃん!マジ神!」

「なぎさったら蕗田先生でしょ?!
………ありがとうございます!!」



『蕗田講座』のおかげで何とか授業にもついて行ける様になり、楽しく勉強している私たちに影響されてか、他のクラスメートにも授業を聴き始める者が増えてきた。








校長室――――――――――

「…………授業を聴き始めた生徒がいると?」

白田先生の報告を受けた校長先生は眉間にシワを寄せた。


「あまり賢しくなるのは好ましくないですね。」

「どうやら蕗田教師が補習をしている様なのです。」

「余計なことを………。蕗田教師には辞めてもらいましょう!」

「そんなこと出来るのですか?」


「………何『定年』ということにすれば問題ない。」



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