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某国立新高等学校

第5章 第一学年二学期


「完全勝利おめでとう!!」


なぎさたちと私はカフェテリアでカフェ・ラテで乾杯した。


「あの果音の母ちゃんの顔ったら!」

「皆のおかげだよ、ありがとう!」


「……ん〜だけどゴメン!あんなんでも果音の親なのにクソジジィとかクソババァとか言って…………」

なぎさが頭を下げた。

「え〜むしろもっと言って欲しかったヨ!」


私たちはひとしきり笑い転げた。


「あ〜可笑しい……でもこれで完全に私は帰るとこなくなっちゃったな…………」

「心配すんなっ!」

なぎさが私の肩を軽く小突いた。

「あたしが面倒みてやるよ!」


「………それは嬉しいし、頼もしいけど………この学校出てちゃんと就職とか出来るのかな………?」

「うっ!痛いところを……」

なぎさは頭を抱えた。


「そうだね………」

莉里が言う。

「……おばさんに言われたとおりあたしら「ロクに勉強」してなくて、このまま楽しく高校は出れたとしてもその後のこと考えてなかったナ。」


「やだあ!莉里ぃ、急にマジメになっちゃって。」

いち子が茶化した。

「何とかなるんじゃない?わたしら若いし可愛いくしてれば『玉の輿』って手もあるじゃん?」

「ばーかいち子!今時そんな夢物語存在しないんだよ!」

「………そっかな……」


(確かに………ちゃんと考えないと!学校は出たものの路頭に迷って結局親の世話になるのだけは避けなきゃ!)


「あたし!調理師学校行きたいんだ!」

「莉里、ビックリした。突然何?!」

飲み干したカフェ・ラテのカップをコツンと置いて莉里が言う。


「あたしの親もクソで男ばっかり追いかけてて小さいあたしは商店街の小さな食堂のばあちゃんに食べさせてもらってたんだ!


恩返ししたいんだ。ばあちゃんに。跡取りがいないって言ってたから!

食べるのも料理するのも好きだしネ、親みたく男に頼らないで好きなことして自立したい!!」

「かっこいい!莉里!

ウチらで行こうよ、莉里の食堂!美味そうじゃない?」

「あはは、しっかりお代はもらうからね?ちゃんと働きなよ?」


(働く………かあ……)

「果音はなんかやりたいことないの?」

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