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人間拒絶症~美風藍~

第2章 キミを探しに。


「ラー・・・ラララー・・・ラー」
誰もいなく、周りに障害となる建物がないからか、藍の声が遠くまで響く。
なんて気持ちがいいんだろう。
それから藍は、思いつく限りの歌を歌った。嶺二の曲、カミュの曲。
少しだけキーをあげてのびのびと歌っていると、あれ、『歌』ってこんなに楽しかったっけと思えてくる。
疑問を処理していると、藍がそう思う原因が出てきた。
藍は最近、自分が楽しいと思える、好きな歌を歌っていなかったからだ。
これからは、もっと楽しいキラキラした曲を作ろう。
そう思ったら、なんか胸のあたりが暖かくなってきて思わず頬が緩み、クスッと笑いが漏れた。
楽しみ、嬉しい、って暖かい。

「ふふっ、あははっ」

胸がくすぐったい。一人で笑って変なの、と思いながらなんとなくカーディガンのポッケに手を突っ込んだ。すると、カサッと音がした。

「紙?」

こんなところに入れた覚えないんだけどなと紙を引っ張り出すと、美風へと見覚えのある綺麗な字が書いてある楽譜が見つかった。
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