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人間拒絶症~美風藍~

第2章 キミを探しに。


「なっ・・・お前、まさかアレ打ったのか!?」

「しょ、しょうがないだろう!?何が何でも連れて帰れって党首様に言われてたんだから!」
皐月の赤い涙を見るや否や、男どもは慌て始めた。

「ねぇ、アレってなに?」
藍は皐月に何したの、というイラつきをたっぷりと込めて問うと、逃げる準備をしながら一人の男がこう言った。

「薬だよ!皐月様の妖力が暴走するように薬を入れたんだよ!」

「・・・は?」
薬?皐月の体に、そんな変な物入れたの?その薬はどんな成分が使われているの?ふざけないでよ。藍は怒りで暴走しそうだった。
藍たちがこうして話している間にも、皐月は頭に銃口を当て続けている。

「美風、ありがと、バイバイ」
静まり返る倉庫の中で、皐月は静かにそう言った。
男どもがひぃっと小さい悲鳴をあげている。

「・・・勝手に死ぬなんて」
藍はぼそりと呟き、左腕を銃にむける。

「許さないよ」
カチッとスイッチを押すと、ビュンッと藍の腕が飛んでいく。そして、カランッ!と軽いものが地面に落ちる音がした。それは、皐月が持っていた銃だ。

「え、あ・・・・」
手から銃が消え、きょろきょろと戸惑っている皐月に藍が一歩近づくと、皐月の体からあの時見た、紫色の煙がブワッと舞いあがった。
あの時の比じゃない。
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