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人間拒絶症~美風藍~

第2章 キミを探しに。


「あのさぁ・・・いい加減返してくれないかなぁ」
約30分。お互いに喧嘩を売り、買いを続けた結果、無意味だった。

「さぁ、美風藍。もう満足だろう。ここで死ね」
そう言ってまた男が藍に銃口を向ける。何度撃ったって同じことなのに、学習能力がない駄目な大人だ。そう思いながらまた戦闘態勢に入ると、男の手から拳銃が消えた。

「なっ・・・!皐月様っ!?」

「は・・・」

思わず声が漏れる。

「ちょっと、なにやってんの・・・・」
皐月は、いつの間にか手首の縄をほどき、男の拳銃を奪い取って頭に当てていた。予想外の出来事。さすがの藍もこのようなことは予測できなかった。

「皐月、何やってんの?そんなもの頭に当てたって、なんの意味もないよ」
できるだけ平常心を保とうとしているけど、予想外すぎて処理が追い付いていない。
皐月、そう言って一歩近づくと「来ないで!!」と掠れた声が倉庫に響いた。

「私が死ねばっ・・・私が今死ねば、全部全部解決するっ!!」
顔をあげ、力強い瞳でボクを見つめる皐月。
その蒼い、綺麗な瞳からは妖力を持っているもの特有なのか、赤い涙がぽろぽろと零れていた。
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