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人間拒絶症~美風藍~

第2章 キミを探しに。


「はいカットー!いやぁ、美風くん。よかったよ!おつかれ!」

「ありがとうございます。みなさんも、お疲れさまでした!」
藍はオーバーヒートしそうなほど熱い体を支えながら楽屋に向かう途中、ガクンッと膝から崩れ落ちた。

「んっ・・・なに、これ」
藍の部屋についている監視カメラ機能が、藍が感じたことのない人間をとらえた。ザザザッという砂嵐と呼ばれるノイズ音を聞きながら頭のなかに流れ込んでくるのを目を凝らして見る。

「・・っ!・・やぁっ!・・・・みか・・・みかぜっ・・・・たすけっ・・・」
よく聞き取れない中、はっきり聞こえた皐月が藍の助けを乞う悲痛な声。

「皐月っ!!」
ここにはいない。そう分かっていても反射的にそう叫んでしまう。強気な、プライドの高い皐月が出した藍へのSOS。藍はばっと立ち上がり、撮影の衣装のまま無我夢中で走りだす。びっくりして藍をみる人も無視し、頭の中でさっきの二人組の男が誰なのか調べると、

「瑠璃川・・・おっそいよ」
やはり瑠璃川財閥側の人間だった。

「・・・・こんなこともあるかと思って」
頭の中でGPS機能に素早く切り替える。こんなこともあろうかと思って、皐月のリボンと服にGPSをつけておいたんだ。
頬を伝う冷や汗をぬぐい、再び皐月の元へ走りだす。
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