第2章 キミを探しに。
「・・・ここか」
ボロボロの倉庫を見て少しだけ荒れた呼吸を整える。キィ、と重たい扉をあけると、倉庫独特のサビ臭い匂いが藍の匂感を刺激した。倉庫の中は普通の人間なら何も見えないくらい真っ暗だけど、藍はロボットのため、誰にもわからないくらい小さく明るいライトを目に仕込んである。
藍がそれをカチッとつけ、前を向くと驚くほどはっきり見える。
人間にだけ感知するセンサーも登載されているから皐月にも反応する。しばらく倉庫内をうろうろしていると、やっと3人のセンサーを感知した。
「やぁーっとみっけた」
はぁ、と喜びのため息をつきながら奥の冷凍庫らしきところに入ると、やはりパンパンッ!と銃弾が飛んできた。
目に見えないくらい早いらしいけど、ロボットの藍には全然はっきり見える。首を軽くひねり、合計6発の銃弾を交わすと、奥に居るであろう皐月に歩み寄る。
「皐月?いるんでしょ?帰るよ」
そうぶっきらぼうに言うと、「美風っ・・・!」と涙でぐちゃぐちゃになった声が聞こえた。
こいつらが、皐月を泣かせたんだ。そう思うと何とも言えない汚いものが湧き上がってきた。
「ッチ、もう見つけられたか・・・」
一人の男が呟き、カチッと電気をつけた。