第4章 2度目の事件
毛利のおじさんの家でお世話になりだしてから1週間が経った。
この事務所の評判の問題か、あれから事件に巻き込まれる事はなく平和に生活できている。
「ん〜!」
帰ってから蘭姉ちゃんの机で宿題に取り組んでいた私は、ひと段落ついたのでようやく手を止めて伸びをした。
2時間程ずっと同じ体勢でいたので背中が伸びて気持ちがいい。
そろそろ私が宿題を始める前に博士の家に出かけたお兄ちゃんも帰ってきている頃だろう。
そう思って宿題を片付け、事務所の方へ行く事にした。
「あれ?」
家を出ると、事務所の前に人が立っていた。
階段を降りていくと若い女性がこちらを見る。
「えっと、依頼人の方ですか?」
依頼人
「そうです…」
三つ編みに結んだおさげにメガネをかけている女性は、元気のない声で返事をしてくれた。
依頼人なら早くおじさんと話させてあげた方がいいだろう。
「毛利探偵いらっしゃるので中へどうぞ」
一応ノックしてからドアを開けた。
中にはおじさんだけでなく、蘭姉ちゃんとお兄ちゃんもいる。
「おじさん。依頼人の方がいらっしゃってます」
小五郎
「お、ありがとう。こちらに座ってください!」
依頼人
「はい…」
おじさんに促されてソファーへと座ったのを見届けて、私はお兄ちゃんの隣へと向かった。
そんな私と入れ替わりに蘭姉ちゃんはお茶を入れに行ったようだ。
小五郎
「ではお名前と依頼内容を伺っても?」
依頼人
「はい、私の…広田 雅美の父を探して欲しいんです!」
小五郎
「ほぉ…お父様を」
雅美さんは父親を探すためにここへ来たらしい。