第3章 毛利探偵事務所
お兄ちゃんが小さくなってしまってから1週間。
私は今日まで博士の家でお世話になっていた。
「博士、1週間お世話になりました!」
阿笠博士
「ワシも楽しかったよ」
またいつでも泊まりにおいでと、優しい言葉をかけてもらってから家を出る。
でもこれから自分の家に帰るわけではない。
今日からは違う場所に泊まる事になっているのだ。
それが決まったのはお父さんに事情を説明した3日後の話。
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「私も蘭姉ちゃんの家に!?」
お父さん達が帰ってきてくれるといいが、それは無理だろうなとは思っていた。
だが予想もしていなかった事を言われてしまう。
優作
「ああ。私達はまだ帰れそうもないし、音羽を1人で住ませるわけにもいかないからね」
蘭姉ちゃんの家に泊まった事などもちろんない。
泊まり慣れている博士の家の方が落ち着けるのは間違いないので、一応自分の意見も言っておこうと口を開く。
「博士の家にこのままいちゃいけないの?」
そう言いながらチラリと見ると、ワシは構わんぞ〜と口パクで伝えてくれる博士。
一瞬博士が私の面倒を見るのが大変だとお父さんに言ったから蘭姉ちゃんの家へと提案されたのかと思ったが、そんな事ではないようで安心する。
優作
「私達も博士の家か、毛利さんの家のどちらかに頼まなければとは話していたんだ」
「じゃあ博士もいいって言ってるし…」
優作
「いいや。音羽に頼みたい事があるからこそ、毛利さんの家に行って欲しいんだよ」
そう言われるとわがままなんてこれ以上言えるはずもないではないか。