第8章 ◇狂気の沙汰◇
俺も柔すぎるベッドじゃ寝られないけど、一晩中ソファーってのはさすがにね。狭いし。寝れなくはないけど…変に疲れそうで無理。
それをヘーキで毎晩のように寝てたあの人、やっぱおかしいんだわ。
おかしいのはわかってる。たぶん…俺も人のこと言えないくらいにはおかしいと思う。自分でも。
それでもやっぱ、違うから。なんだろ。うらやましいとは違うんだけど…
なんか、魅かれちゃうんだよな。悔しいことに。
いっぺんなってみたいわ。どんなこと考えてんのか。何を見てるのか。
想像はつくんだけど…やっぱ知らない部分がまだまだあるわけじゃない。これだけいても、見せてない部分はやっぱりあるから。それが多そうだから…魅かれるのかな。いや、わかってるのに、わかりきってるのに、何かクセになってるって感じ?
彼と同じように、同じカッコで、ソファーに横になってみた。
「…」
違和感。
やっぱこんなとこで普通に寝るとか無理でしょ。スプリング?なんかごつごつ痛いものが背骨にあたるし。こんなんだったのか、このソファー。よくここで寝れてたなあの人。