第1章 ◇言っとくけど俺よりひどいから◇
「起きてたの」
「うん」
「…起こしちゃった?」
「起きてた」
「…」
いつから?
とか、別に聞かない。特に興味ないし。俺のせいで起こしたんじゃないなら、別に。特に言うことはない。
どっちにしても覚醒しちゃったし、いつから人の顔見てたのかわかんないキモイ人の隣にいるのもなんだし、とっととベッドを出た。
「んふっ」
「…」
目ぇあった瞬間、笑いこらえきれないって顔で布団に潜った。
…なに?
「ふっ、ふふっ」
「……」
確実に俺見て笑ってんな、これ。失礼甚だしい。寝起き悪い方じゃないけど、さすがにこれは気分良くない。
「…なに」
「ひっでぇな」
「なにがよ」
「アタマ。…ふふ、ふふふっ」
「…」
人の事言えんの!?
ひっでぇのはむしろおまえのその態度だろーがよ。
ったく。
ムカついてヤツの髪もわしゃわしゃしてやった。
「あっ。ちょっ…。なにっ?」
おまえのせいで、爆睡しちゃって寝がえりうたなかったから。この頭は。
おまえが
昨夜もすこぶる激しかったせいで。