第1章 異世界からこんにちは
スタンドの仕舞い方を教えてもらい〈偽りの部屋〉を仕舞う事に成功した私は、再度露伴先生とお話をする事にした。
「あ、あの……暮らすっていうのは……?」
「言葉の通りさ。君はどうやら〈尊敬出来る〉人間のようだからな、一緒に暮らしても構わないだろうと考えた」
「く、暮らすって……」
似たような事を呟く私を一瞥し、
「君だって、突然ここに来たんだ。住む場所のアテなんてないだろ? ならば、悪い話じゃあないと思うが……」
と言う。
それを言われたら何も反論出来なくなる。
今の私には住む場所なんてない。それどころか、二〇二三年で使われているお札は使えないかもしれない──そこら辺の知識は曖昧だから調べる必要がある──から、そうなってくると食事も困ってくる。
露伴先生の提案は、つまり、衣食住が保証されるという訳であり、それは今の私にとってはとても魅力的なものだった。
「……ちなみに、家に置いてくれる理由は……?」
「君が異世界出身だからさ! 面白いじゃあないか! 君といれば、漫画のネタを思いつくかもしれないからね!」
「そんなこったろうと思いましたよ!」