第4章 4章
「せんせーー?」
「はーい…って紫原くん? …ぅえ!?」
俺はちんの頭に顎を置いて思い切りのしかかった。
「こらこら紫原くん、先生に何してるんですか。」
「えー別にぃ?
…安田せんせー、ちょっとせんせー回収しますねーーー」
「えっ、ちょっ……紫原くん?!」
暴れるちんをなりふり構わず引きずって俺はそのまま去っていった。
「…………………。」
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空き教室に着くと私は紫原くんから解放されて自由になる。
引きずられている間、何度首が取れるかと思ったか。
「む、紫原くんどうかしたの…?」
「……。」
彼は無言で私のことを見つめている。
…その顔は怒っているのか、それとも悲しんでいるのか。
私には理解する事が出来なかった。
何も話せずに沈黙が続く。
すると不意に紫原くんが動き出した。
ドン、と音を立てて壁に彼の拳が当たる。
気付けば目の前には紫原くんがいて、私は壁に追いやられていた。
「…んで……」
「え…」
「…なんで最近アイツと楽しそうなの。」
紫原くんから聞こえた声。
少し不機嫌な声音が混ざっていて更にどうして良いか分からなくなる。
「安田先生とそんなに楽しそうに見える…?」
「…うん、だって最近しょっちゅう安田と一緒に居んじゃん。俺だってもっとちんと一緒に居たいのに。」
両腕を優しく掴まれ、肩に紫原くんの頭がのった。
もしかしてこれは…
「…嫉妬…してるの?」
「…」
彼は無言で頷いた。