第4章 4章
「………………………………。」
最近俺は不愉快になる事が増えた。
その原因は分かっている。
「先生、こちらの問題集なんですけど…」
ちんに話しかけてるのは数学教師の安田だ。
他の女子生徒から紳士的でイケメンの先生だと評判のある教師だ。
前まではちんに全然話しかける素振りも無かったのに、ここ最近気付けば彼女の近くにいて何かしら話をしている。
「……ばら………おい、紫原!」
「……!」
後ろからの福井の声に全然気付いていなかった。
「…なに?」
「はぁ……また不機嫌なのかよ…今日監督が明日の練習試合についてミーティングするってよ。今日は部活来いよな。」
じゃあなと言い残すと先輩は足早にその場を去っていった。
「はぁ……メンドー…」
手に持っていたお菓子を食べようと思ったけどさっきの光景がチラついて何かを口にする気にもならなかった。
「ちん……」
安田と仲良さそうに話すちんを見て胸の辺りがモヤモヤとする。
「あー…もー無理……」
俺はお菓子をしまうと彼女に向かって歩き始めた。