第2章 2章
「美味しいじゃん」
「え…」
そう言う紫原くんの顔は今まで見た中では1番穏やかな笑みを浮かべていた。
普段見ない彼の表情に少しだけ心の臓が跳ねる。
「そーだ。ねぇちん、また今度俺にお弁当作ってよ。」
「え?!」
「ちんの手作りのお弁当食べてみたい」
突然のお申し出に持っていたおにぎりを思わず落とす。
真っ直ぐとこちらを見つめ、凄く楽しみにしてるのが分かる…
「最近購買ばっかで飽きたからさ〜」
そう言っておにぎりを二口くらいで食べ終わってしまった。
「ごちそーさま。」
んじゃ俺行くねー…と紫原くんは満足げに保健室を出て行ってしまった。
…あっけからんとして私の昼休憩は過ぎていきましたとさ。