乙女ゲームの一生徒に転生した私は穏やかに暮らしたい
第4章 仮入部期間は張り切るべき時
全員分の紙を部員から手渡されたあと、部長はまた話し出した。
「一人、どうしても来れないと言う奴がいたから一人だけ足りないが……。放送部の部員は、これで全員だ」
私の隣に立つ同級生が、えっ、と言ったのが聞こえた。
気持ちは分かる。部室が広いのを考慮しても、あまりにも部屋の中ががらんとしているのだ。
「はぁ、どうしてあいつはいつもこうなんだ……。敬人でさえ来たというのに……」
「そりゃあ、招集かかったら行くしかないでしょ〜。あと直葉くん、話脱線してるよ?」
ここまでずっと黙っていた敬人さんが口を開いた。
なるほど、普段あまり部室に来ない敬人さんが今日ここにいたのはそういう事か。
敬人さんは本入部後の顔合わせ以降は部室に顔を出す事が少ないため、攻略したいのならば理由をつけて敬人さんに会いに行かねばならないのだ。
行く場所は教室な事が多く、ストーリーの最後の方は、敬人さんのクラスメイトさん達に主人公が認知されてたなぁ……。