乙女ゲームの一生徒に転生した私は穏やかに暮らしたい
第4章 仮入部期間は張り切るべき時
由比ヶ浜第一高校は、ゲームの舞台というのもあってか綺麗で広い。
野球部やバスケ部は強いらしく、これらの部活でもゲームを作れるんじゃないかな、なんて考えてしまうのは、前世の記憶を持つ私だからだろう……。
終礼中、私は先生の言葉を聞き流していた。
私の前の席の人たちは、聞いていない人もいれば、聞いてはいるがどこかそわそわとしている人もいる。そわそわしてる人は、きっと放課後を楽しみにしている人なんだろうな。私もその一人だ。
いつの間にか先生の話が終わり、日直の号令で立ち上がりさようならと言う。
さぁ、放課後が来た! 待ちに待った時間である。
事前にファイルから校内の地図を机の上に出していた私は、それを手に取りカバンを肩に引っ掛け、早速放送部の部室へと移動をし始めた。