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乙女ゲームの一生徒に転生した私は穏やかに暮らしたい

第2章 情報整理が夢でした


一日を学校で過ごして分かった。

普通に過ごしている分には、ゲームであるこの世界が消えたりはしないだろう、という事だ。

授業を受けてお弁当を食べ、当番だったから掃除をして帰宅した。世界が崩壊して人生が終了! ……なんて事にはなっていない。

私は乙女ゲームの舞台である学校に通っている生徒、言わばモブだ。モブはモブらしく過ごしていればいい、というのは前世の記憶を得た今も変わらないらしい。

登場人物の命の危険があるタイプのゲームではないから、そこも安心出来る要素である。

平穏に過ごせる事がほぼほぼ確定し、私は安堵のため息を吐いた。その吐息は、机の上に置いてあるノートにかかる。

このノートに、おもこえの登場人物やストーリーを書いた。覚えている範囲だけではあるから多少抜けはあるかもしれないが、やり込んだこのゲームのことは大体覚えているため大丈夫だろう。

ストーリーに沿う、或いは修正しないと自分の命が危ないなんて事はないから、これは本来必要のない物ではあるんだけど……。転生したらやってみたかったんだよね、ノートに情報を書くやつ。

今がストーリーのどこの辺りなのかとか、各ルートの記録を読んで思い出す事ではしゃげるのだから、これはこれで使い道があるんじゃないかな。

緑色の表紙をしたノートだから、表紙の教科名などを書く欄には生物基礎とでも書いておこう。マル秘だと怪しいから、習う教科の字を入れたいな、というのも元々考えていた案である。

実現出来た事に、ほくほくと胸が温まる。

そんな満足気な気持ちを抱きつつ、私は今日出された宿題に手を伸ばした。
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