【現在HUNTER×2イルミリク執筆中】短編集【R18】
第2章 【ヒロアカ 】【自作】月は夜を照らさない※ホークス【R18】
俺の手が触れると、仁美さんはにっこり笑った。
その笑顔があまりに綺麗で、俺は目を細める。
何で仁美さんがここに居るのだろう。
俺が怪訝な顔をしていると、仁美さんは気が付いた様に言った。
「啓悟くんは公安の上に随分と揶揄われているようだな。」
仁美さんの問いに俺は更に顔を顰める。
ーまさか。
「デストロの婚外子が分かってな、なりすましで私は始めから公安の仕事で『潜入』していたんだ。」
俺は仁美さんの言葉を聞くと、固まった。
完全に面白がられて、俺にはその情報が回って来なかったんだ。
しかも仁美さんだって、それに乗っかりやがった。
俺は声が出ないが、体がワナワナ震えていた。
俺の4年は何だったのだろうか。
上は後で文句言うとして、目の前の仁美さんは相変わらず悪びれもしないで、笑っている。
絶対俺の反応を見て、楽しんでたに違いない。
「まぁ、そう怒るな、こんな情勢だ、土産もあるんだ。」
仁美さんはゴソゴソと服から何やら取ると、俺の目の前に数枚の写真を見せた。
ーあ、終わった。
俺はその写真を見て、目の前が真っ黒になった。
仁美さんは満遍の笑みで、俺を見て言った。
「安心しろ、お前の『仁美さん』達はみんな無事だったぞ。」
仁美さんの手の中にある写真は、皆んな背格好も仁美さんに似ている4年間俺がお世話になった方達だった。
仁美さんは真っ青になっている俺に満足したのか、写真を改めて見て、ニヤニヤ笑っていた。
仁美さんの名前を呼び、仁美さんの代わりに抱いてきた事を本人にバレた。