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【現在HUNTER×2イルミリク執筆中】短編集【R18】

第2章 【ヒロアカ 】【自作】月は夜を照らさない※ホークス【R18】


「父親か、見た事も無いな。」
そう言って仁美はにっこりと笑った。
仁美に荼毘の目が歪んだ。
「てめぇ、あっち側か。」
荼毘の言葉に、また仁美は首を傾げる。
「私はヒーローの様に、人を助けることは無い、ただ‥殺すだけだ。」
そんな自分を何と言うのだろう。
説明する言葉なんて無かった。

仁美はゆっくりと荼毘に近づく。
「私が一度影を踏んだら、私が解除するまでその者は動かない。」
そして服の下からナイフを取り出すと、荼毘に向けて笑う。
「お別れだ、『轟燈矢』君。」
仁美の顔を荼毘は目を見開いて睨んだ。

その瞬間に、2人を大きな氷結が襲い、その足場を崩した。
崩れ落ちる中、仁美の個性が解除されて、荼毘は体を起こして仁美を確認するが、もう近くに居なかった。
「っ何なんだあの女っ!」
荼毘はイライラした気持ちを拳にして、目の前にある氷を殴った。

そしてその日、再び仁美さんは姿を消して、俺が目が覚めた時には、全てが最悪の形で終わっていた。
包帯だらけの体で、少し動かしただけでも体が引き裂かれる様だ。
俺は結局、仁美さんを取り逃した。
色んな場所でヴィランが解放されて、混乱の世の中で、再び仁美さんを見つけられる確率はどの位なのだろうか。

「『鷹見啓悟』くん。」
俺はその声で病室のドアを見る。
あり得ない、公安の目が入っているこの病院に、仁美さんの姿があった。
驚いて見ている俺に、仁美さんは気にしていないかの様に、俺の前に座った。

「君の本名バレたね。凄いね啓悟くんは、闇も光に持って行ったね。」
そう言って、目の前で笑う仁美さんに、俺は痛い腕を上げて顔に触れた。
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