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【現在HUNTER×2イルミリク執筆中】短編集【R18】

第2章 【ヒロアカ 】【自作】月は夜を照らさない※ホークス【R18】


俺は一生この事で仁美さんにイジられるのだろう。
動かない手も、出ない声ももどかしいのに、目の前の仁美さんは本当に楽しそうに笑っている。
「啓悟くんは本当に私が好きだな。」
仁美さんは写真をしまいながら、目を細めて言った。
その写真は捨てて下さい。

仁美さんが俺の方に向いて目が合うと、俺はやっと状況が理解できて、目の前に仁美さんがいる事が理解出来た。
ああ、何だ、俺はこれから毎日仁美さんと居られるんだ。
やっと頭が理解すると、俺は目から涙が出る。
泣いている俺を、仁美さんは相変わらず揶揄う様な笑顔で俺の涙を拭く。
「本当に泣き虫だな、啓悟くんは。」
仁美さんの手が触れると、手が上がらず抱かない自分に更に涙が出る。

早く抱きしめて、仁美さんにキスしたいです。
一通り俺の涙を拭うと、仁美さんは目を細めて、立ち上がり、部屋を出て行こうする。
えっ、何処行くの?
「‥こんな世の中になって、今は闇を作って、ヒーローを照らす必要も無くなってな、私の仕事はしばらくは無さそうだ。」
仁美さんはゆっくり振り返って続けて言った。
「かと言って、ヒーローでも無いし、やる事が無くてな、しばらくは死柄木を追う事になった。」

俺は目を見開いて、仁美さんを見た。
声も体も動かない俺を見て、仁美さんはにっこり笑った。
「またしばらくお別れだ、啓悟くん。」
貴方はだから『今』来たんんだ。
俺が動けない今、別れを言いに。
「っ!」
叫びたくても、荼毘に焼かれた喉は振動するだけで、音が出ない。

1人で行かないでくれ。
きっと言葉に出てなくても、俺が言っている事は仁美さんは分かっていた。
「啓悟くん、今度会えたら‥。」
仁美さんの言葉は最後は出ていなかった。
俺は仁美さんの口の動きで、仁美さんが何を言ったのか分かった。
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