【現在HUNTER×2イルミリク執筆中】短編集【R18】
第2章 【ヒロアカ 】【自作】月は夜を照らさない※ホークス【R18】
仁美さんの個性を使えば、すぐに俺のこの手や体は動かなくなる。
俺がこうして触れるのは、仁美さんが受け入れてくれているからだ。
俺は初めてのキスに、頭がクラクラする感覚で、舌を仁美さんの唇の中に入れて、歯を割って仁美さんの舌に絡める。
「っはっ。」
仁美さんの吐息の様な声を聞くと、俺は薄っすら目を開けて、仁美さんを確認する。
仁美さんの顔は高揚していて、少し赤くなっている。
必死に目を瞑っていて、俺の舌から逃れる様に舌を動かしている。
その仁美さんのしぐさ全てが愛らしすぎて、少し逃げる仁美さんの顔を抑えて、更に唇を重ねる。
俺の肩を掴む仁美さんの手が少し震えていた。
「っはぁ、仁美さん‥。」
俺はまだ満足出来ないが、唇を離して、仁美さんの顔を両手で包んで、仁美さんの顔を確認する。
仁美さんは目を顰めていたが、少し潤んでいて、初めて見る女の顔で俺を見返している。
それだけで、痛いくらい自分の下半身が立ち上がる。
俺はソレをグッと仁美さんの体に押し付ける。
「お願いします。抱かせて下さい。」
仁美さんを抱きたくて、頭がおかしくなる。
俺はきっと情けない顔で仁美さんに懇願しているだろ。
初めてのキスはタバコの味、仁美さんの匂いだった。
嫌いな匂いのはずなのに、今一生懸命に抱きしめて、顔を仁美さんに埋めている。
嫌だと言わない、個性を使わない、仁美さんの肯定のサインだ。
まだ迷って、戸惑っているのは分かっていた。
それでも俺は仁美さんが決心する前に、彼女を抱きしめてその場所から飛び立った。