【現在HUNTER×2イルミリク執筆中】短編集【R18】
第1章 【ヒロアカ 】【自作】裏切りの痕には※轟・爆豪【R18】
クラス分けのときに、誰も知っている人は居ないのに、俺は君の名前を探した。
校舎の外の掲示板を、周りは知っている人など居ないのに、俺は君の名前を探したんだ。
残念な事にクラスが違う事を確認して、去ろうとしたその時に、隣に居た君が呟いた声を今でも覚えている。
「B組か。」
俺は君を見て、君もその時俺を見て、俺達は初めて目が合った。
それは一瞬だったけど、なんでだろう黒い髪を腰まで伸ばして、邪魔そうに髪を掻き上げる君に、俺は目が離さなかった。
そしてすぐに君の名前が上條仁美だと分かって、俺はあの瞬間にすでに君に恋をしていた。
馬鹿馬鹿しい一目惚れだと笑ってくれてもいい。
その後は、君をすれ違って見たり、体育祭では攻撃型では無いのに、トーナメントで健闘した君に、俺はもう目が離さなかった。
中間試験で君の名前がトップにあった時、B組で君が笑っていた時、いつも遠くで見ていて手の届かない君に思いを募らせるだけの日々だった。
それがあの日、君の声で俺の名前を呼んだ時、俺は驚きと高揚感を抑えるだけで精一杯で、君の名前を初めて呼んで、君の顔を見た時は気が遠くなるほど心が躍っていた。
初めて君を抱いて、その行為が夢で無いか、気を失った君に俺は涙が出るくらい胸が締め付けられて、眠っている君に何度もキスをして抱きしめて、これが現実だと自分に言い聞かせていた。
2度目に君を抱いた時は、もう君なしでは生きていけないと思えるほど、後戻りが出来ない自分が居た。
そんな君が、爆豪と関係を持った時の俺の気持ちは、想像もつかなかっただろう。
俺の腕の中に居た君が、俺に見せてくれた顔も体も爆豪が知っているなんて耐えられない。
裏切られた気持ちは、俺の心を蝕んで、憎いとさえ思わせた。