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【現在HUNTER×2イルミリク執筆中】短編集【R18】

第1章 【ヒロアカ 】【自作】裏切りの痕には※轟・爆豪【R18】


あらためて冷静になって目の前の爆豪を見ると、自分のしでかした罪悪感と虚無感が襲って来た。
「‥お前は泣かないのな…。」
爆豪は私の顔を目を細めて見ながら呟いた。
「え?うん、泣かない‥よ。」
私は今誰と比べられているのだろう。

ブーブーブー

その時に部屋の中にスマホのバイブの音が鳴り響く。
もしかしたら轟かもしれないと、私はその音の方を見る。
振動が伝わっているのは、爆豪の鞄だった。
この期に及んで、轟を期待する自分に幻滅する。
バイブは鳴って、またしばらくすると振動を繰り返していた。

「大…丈夫なの?」
私はスマホを確認しようとしない爆豪を見る。
その顔はどこか悲しそうで、怒りも混じっている様だった。
爆豪は用事があるから、外出届を出した様だ。
止まらない振動を無視するかの様に、爆豪は手を腰から私の顔に移動させると、そのままキスする。

舌が入ってくるキスだ。
相変わらず、繊細で優しい。
「‥なぁ、今日泊まっていいか?」
「え?」
まさかのお泊まりの要求に、私はびっくりして顔を離す。
私を見返す爆豪の顔は至って真面目だった。
「え、大丈夫だけど、家の人とかはいいの?」
この連絡は家からではないのだろうか。

「‥家は今日は帰らないって分かってる。」
じゃあ爆豪は今日、何処に行くつもりだったのだろう。
連絡の相手はきっとその人なんだ。
「あ、うん。私は大丈夫…。」
私がそう言うと、爆豪は目を細めて私の頭を掴むと、もう一度キスをする。

「‥腹が減ったから、夕飯買いに行く。」
爆豪はそう言うと、カバンからシャツとジャージを出すと、着替え始めた。
「あ、いってらっしゃい。」
色々と追いつかない私は、そんな爆豪を見ながら思わず言った。
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