【現在HUNTER×2イルミリク執筆中】短編集【R18】
第11章 【HUNTER×2】義眼の花嫁【R18G】
(イカれ野郎…。)
相変わらず私の悪態は言葉には出ない。
「イルミさんが黒い目がお望みなら、言ってくださればいいのに。
わざわざこんな手の込んだ事しなくともすぐに変えたのに。」
無駄に痛い思いをしなくても済んだんだよ。
そんな気持ちを込めてイルミに笑顔で言った。
私の言葉に、イルミはいつもの能面の顔に戻った。
「ああ、違うよ。【ナニカ】の件はそんな事で頼んだんじゃ無い。」
「?!」
イルミはそう言うと、急に私を抱きしめた。
これは………初めてだ。
初めてイルミに抱き締められて、私の身体は硬直した。
「あの空いた目の空洞に、黒い瞳が入った仁美を見たくなったんだ。」
背中が撫でられて、スリッとイルミの顔が私の頬を擦った。
「イッイルミさん、どうしたんですか……。」
私がイルミの肩を押すと、首元にあったイルミの顔が近付いてきて私にキスをした。
その衝撃をどう処理するかに随分と頭を使った。
初めてイルミに抱き締められて、キスをされて、私は混乱した頭で思わずイルミの肩を叩いた。
イルミは薄っすら目を開けると、私の顔に手を添えた。
「仁美…笑顔出来てないよ…。」
思い切り顔を顰めている私に向かって、イルミも不機嫌そうだ。
思わず素になってしまった私は、表情を作ろうとするが上手くいかない。
何たって私のファーストキスだ。
なんでここでイルミとしているのか理解出来ない。
困惑している私を無視して、イルミは何度もキスを繰り返す。
ちゅっちゅっとリップ音が耳に聞こえてきて、イルミとキスをしている現在が私の顔を紅潮させた。